スギ花粉症に対する天然植物シジュウムの点鼻液の有効性
鈴木五男1) 岸田 勝1) 中園宏紀1) 山口博明2)
中野裕史3) 四宮範明1) 北中 進3) 青木継稔1)
(東邦大学医学部第二小児科1) 埼玉医科大学小児科2)
日本大学薬学部3))
目的:南アメリカ原産の植物であるPsidium guajava(PG)が抗ヒスタミン作用,抗ロイコトリエン作用などの抗アレルギー作用を持つことを報告してきた。そこでPGの点鼻液を作成し,スギ花粉症への有効性を検討した。
対象と方法:東邦大学第二小児科関連病院に受診のスギ花粉症42名にPGスプレーを鼻腔内噴霧に1日4回,1回1puffとした。1週間の観察後,2週間PGスプレーを使用し,臨床所見および鼻粘膜を観察した。
同時に鼻汁の好酸球数および一部鼻汁のECP,臭覚検査について検討した。結果:対象の血清総IgE値は320-3700U/mlであった。また全ての症例でスギ特異IgE抗体は陽性であった。鼻汁やくしゃみの症状は42例中31例に改善が認められた。
そのうち12例は著しく改善していた。鼻閉の改善は42例中24例であった。鼻汁中の好酸球数はPG使用後42例中29例で低下していた。同時に治療前の鼻汁中のECP値は28.1±4.6であり,治療後には16.1±6.4と低下していた。
考察:スギ花粉症に対するPGスプレーの効果は有意に臨床像の改善を示した。また鼻汁中の好酸球数の減少を認め,炎症の指標となるECPも同様に減少していた。PGはスギ花粉症の治療に有効な方法と考える。
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